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Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

医療工学科の化学講義(3)エネルギー

医療工2012

状態変化とか反応熱とかイオン化とかを理解するために必要な「エネルギ-」の基礎.ここがわかっていないと,エネルギーが関係してきたときに何だかよくわからない状態になります.

事前配付資料

今回のキーワード

TV波,X線,γ線,位置エネルギー,運動エネルギー,エネルギー,エネルギー保存則,エントロピー,温度,可視光線,紫外線,仕事,赤外線,短波,長波,電磁エネルギー,電磁波,熱エネルギー,熱力学第一法則,熱力学第二法則,比熱容量,マイクロ波,密度.

エネルギーとは

何かの仕事を成し遂げる能力をエネルギーと呼びます.運動エネルギー,位置エネルギー,熱エネルギー,電磁エネルギー,などがあります.エネルギーをあらわすSI単位はジュール(J)です.ジュールは1 Nの力で物体を1 m動かすことのできるエネルギーです.したがって1 J=1 N mになります.

熱エネルギー

物体を構成する粒子(原子や原子)の持つ運動エネルギーの尺度が温度です.物体を構成する粒子それぞれは異なる運動エネルギーを持っているので,この尺度は平均値になります.

物体の温度を上げてやるためには,熱エネルギーを与えてやる必要があります.しかし,同じ質量の異なる物質に,同じ大きさのエネルギーを与えても,温度上昇の大きさは同じにはなりません.たとえば1 kgの液体の水に対して温度を1 K上昇させるために必要な熱エネルギーは4.2 kJです.しかし,1 kgの液体のエタノールに対して温度を1 K上昇させるために必要な熱エネルギーは2.4 kJです.水よりもエタノールの方が温まりやすいのです.

このことを表した物理量が,比熱あるいは比熱容量と呼ばれるものです.液体の水の比熱は4.2 kJ K-1kg-1,液体のエタノールの比熱は2.4 kJ K-1kg-1となります.

比熱Cのわかっている物体が質量mあり,この温度を欲しい温度ΔTだけ上昇させるために必要となる熱エネルギーEは次のように計算できます.

E=mCΔT

エネルギー保存の法則

エネルギーは突然湧いて出てくることも,消え去ってしまうこともありません.エネルギーの形態が変わることはありますが,エネルギーの量は不変です,これをエネルギー保存の法則,または熱力学第一法則と呼びます.

エントロピー

エネルギーの総量は不変ですが,エネルギーは最終的には熱エネルギーになり,拡散してしまい,有効利用しにくい状態に向かって行きます.このように自然界では何か仕事が行われると,それに伴って乱雑さが増えて行く傾向がみられます.乱雑さが増えて行くことを「エントロピーが増大する」と言います.この世界ではエントロピーは増大する一方です.これを熱力学第二法則と呼びます.

電子レンジ注意

電子レンジでゆで卵をつくるときにケガをすることがあります.卵内の圧力が高まって爆発することがあるのです.そうならないように前もって穴を貫通させておくことをおすすめします.また,電子レンジ用のゆで卵調理器も取り扱いを誤ると事故を招きます.国民生活センターからのお知らせを紹介しました.

大きな卵でやると・・・・

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計算問題

今回は講義時間内に演習を行わず,解答を配布して自習というかたちにしました.

次回予告

「元素と周期表」に進みます.今回学んだエネルギーの概念を使って原子の世界にせまります.

リンク

www.tnojima.net
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教科書

はじめて学ぶ化学

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