Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

看護学科の化学講義(9)物質の三態変化

履修者47名中45名出席,96 %.

前回やったこと・質問・コメント・その他紹介

くわしくは前回の講義録後半参照↓

状態変化

固体,液体,気体と状態が変わる際に,熱エネルギーの出入りが伴います.例えば氷の入った容器を暖めて行き,温度の変化を温度計で見て行くと,温度が氷点下から単調に 0℃まで上昇し,ここでいったん0 ℃の状態が続きます.このとき,容器内は氷と水とが共存した状態となっています.時間が経つにつれて氷の量が減り,水の量が増えて行きます.温度計の目盛りは0 ℃を指したままですが,容器内では,与えられた熱エネルギーが,氷→水の状態変化に用いられているのです.これは,氷から水に状態を変化させるためにエネルギーが必要だということを示しています.

同じことが水→水蒸気の状態変化においても見られます.液体の水を水蒸気として蒸発させるためには,熱エネルギーが必要です.温度計の目盛りは100 ℃を指したまま動かなくなりますが,その際に加えられた熱エネルギーは,水→水蒸気の状態変化に利用されています.

●氷→水蒸気になるために物質は5段階に変化するんですね.わかっていたはずなのに,いざ図をみてみると,「5段階に変化するんだ」と少し驚いてしまいました.

●状態変化が温度を上げることよりheavyな仕事だとは思ってもみませんでした.でも,比熱と融解熱,蒸発熱を比べると,とっても納得できました.

●状態変化でクーラーなどが使われていることがわかった.状態変化は大切なんだなと思った.

●身近に状態変化を応用した製品が色々あることを知り,新たな発見をすることができた.また,クーラーのしくみの説明がわかりやすかった.

●中学校の理科でもやったけど,気体である水蒸気が冷やすと水になるのって想像しづらいんです.

●アルコールは元々冷たいものだと思っていたから,状態変化が起きていたことを知って,驚きました! 身の周りのことを関連づけると,すごく頭に残ります.

●液体,固体,気体の変化がまだ頭の中でぐちゃぐちゃしてるので,しっかり整理したいと思います!!

●状態変化のところで打ち水の効果について質問しようとしたんですが,授業で先生が話しちゃいました(笑) 本当に効果がったんですね!

●物質の3つの状態について,高校の時もやったので理解していたが,それが日常生活のどんなものに応用されているかは分からなかったので,クーラーのしくみの話はすごく興味をもった.日常生活の何かとリンクさせると覚えやすいなと思った.

状態変化の応用例(1)エアコンのクーラーモードとか冷蔵庫とか

状態変化に伴う熱エネルギーの出入りを利用すると,熱を移動させることができます.このことを応用した身近な例が,エアコンのクーラーモードです,エアコンには室内機と室外機とがあります,両者をつなぐパイプの中には,冷媒と呼ばれる物質が入っています.室内において冷媒は気体の状態からスタートします.これが屋外に移動した際,室外機において圧縮されます.圧縮に伴って冷媒は気体から液体に状態変化し,その際に発熱します,発熱した熱は冷却ファンによって周囲に放出されます.熱を奪われた冷媒は外気温より少し高いくらいの温度まで冷却され,室内に戻されます.室内では冷媒に加えられる圧力を下げることによって,冷媒を蒸発させます.この蒸発に周囲の熱エネルギーが用いられます.この際,周囲は熱エネルギーを失うため,室内の温度は下がります.

同じ仕組みが冷蔵庫や冷凍庫でも利用されています.また,上記サイクルを逆に利用すれば,冬期に暖房として利用することができます.

●クーラーのしくみがよくわかりました.クーラーの電気代が高いこともなんか少し納得しました.

●クーラーの仕組みがよく分かりました! これも化学を応用しているんですね.状態変化すごいです!!

●クーラーのしくみおもしろかったです.

●クーラーのしくみが分かった!

●クーラーって,あんな仕組みなんですね.身近なものなのに知らなかったので,おもしろかったです.

●クーラーのしくみ驚きました! 今年の夏はあまり使わないようにしようと思います.

●エアコンの仕組み,始めて知りました.

●クーラーのしくみ,はじめて知りました.空気をつぶすと発熱し,その逆をすると吸熱する,これを応用してクーラーを作った人,リスペクトです.

●クーラーの原理と状態変化,とってもわかりやすかったです.

●やっと,せんぷうきは部屋をすずしくしないで,クーラーは部屋をすずしくする違いがわかりました.せんぷうきはその部屋の風をそのまま使っているけど,クーラーは気体を外に出して,液体にして,冷却して,蒸発させて,気体を広げているという,大変な過程を経てすずしくなっているんですね.だから,クーラーとか使うとフロンガス増えるんですね.色々な話がつながりました.

●高校2年生のときに隣の3年生の棟にしかクーラーがなく,なぜかいつもあつい空気が私たちの棟にふいてきて,夏場は本当に苦労しました.今回の授業で,その熱い空気は状態変化によって熱くなった空気をファンが排熱したものということがわかりました.状態変化による「冷たい」「熱い」の感覚の話がとてもおもしろかったです.

●クーラーのしくみ,よくわかりました.フロンガスが発生するのは怖いですね.

●クーラーの仕組みの説明,とてもわかりやすかったです.蒸発熱の利用はすごいなぁと思いました.

●クーラーはフロンをリサイクルしているとかすごいです.

●エアコンの仕組みってすごいなーと思いました.考えた人は天才だと思います.

●エアコンを例に勉強すると納得しやすかった.身近なもののしくみがわかることはおもしろいですね.

●クーラーの話,わかりました!

●クーラーの仕組み,よくわかりました.冷却は加熱の逆と考えると理解できるんですね.

●クーラーのしくみ,おもしろかったでうs.何気なく使っていたけど熱を利用しているなんて最初に考えた人は天才ですね.日本人が考えたのかなぁ? クーラーってcoolerですかね笑

●クーラーからは涼しい風がでてくるのに,機械がとても熱いのはどうしてだろうと思っていましたが,吸熱反応が起きているからなんですね (電気の熱もあると思いますが).

●今までクーラーや冷蔵庫が状態変化と関わっているkぉと知りませんでした.

●クーラーのしくみがわかりました! 身の周りのものと関連づけて考えると理解が深まると思いました.

●クーラーの話は最近使い始めていたので,仕組みがわかってよかったです.暖房の場合は逆のことをしているということですか?

●クーラーと冷蔵庫の仕組み,すごいと思いました.

●今日はクーラーの蒸発作用が効き過ぎて,めっちゃ寒かったです.もう少し設定温度高くしてください.

●クーラーの仕組みはあまりよくわからなかったけど,アルコールを肌にぬると冷たく感じたり,氷のうでおでこが冷えるしくみなどが分かって楽しかった.

●クーラーのしくみ,なんとなーく分かりました!

気体の性質

まず,圧力の単位から.

1 atm=1013 hPa=760 mmHg=760 torr

私たちをとりまく空気の圧力を1とするatmは,非SI単位系ですが,これからも用いられていくことでしょう.SI単位系ではPaが圧力の単位です.それを100倍したhPaが天気予報などで用いられています.血圧計などの医療器具ではmmHgが主流です.また,数値部分がmmHgと同じ*1 torrも用いられています.

●トルがトリチェリーからきていることを初めて知りました

●中学の時,風船を容器の中に入れて真空にするのやりました!気圧を上げたらすっごく小さくなって,かわいかったのを覚えています.

真空

私たちは1 atmの世界に暮らしています.これが真空になったらどうなるのでしょうか?体験した人がいます.

●最後の気圧の話は,1 atmがとても大切だとわかりました.

●1 気圧すばらしい(^o^)/

その他

●いろいろとプリントありがとうございます.

ぜひ活用してください.

●最後に,一生覚えておこう,とおっしゃっていた状態変化のプリント,印刷していただけませんか? ノートに写しきれなかったので・・・.

OK.

●サッカー見て眠いです.笑

●今回のW杯は盛り上がりますね!! 北朝鮮戦の7-0が残念ですが・・・先生はW杯興味ありますか?

●ワールドカップ,先生は見ましたか? 日本応援していますか? 日本勝ててよかったです.向かい点のシュートすごかった.

●サッカー,決勝リーグ進出しましたね! ところでワールドカップの会場は標高が高くてボールが落ちないっていうのは,気圧に関係しますか?

関係します.空気密度が変わるのでボールの飛距離が伸びるのです.

●もう1度,比熱について説明お願いします.

試験前に化学計算に関する復習の時間を設けて,そこでやりましょう.

●やらなくちゃいけないことがいっぱいあって今日はちょっと疲れています.次の授業の英語は毎週小テストするし・・・眠たいです・・・z

●あー,授業うとうとしちゃいました.楽しい思い出を思い浮かべましたが,逆にねむくなりました笑

●今日はねむかったです.

●今日の内容は中学の頃にやったことなどもあってなつかしかったです.

●化学ってやっぱり難しいです.今までの化学ではわからなくても,先生の相性が悪いかもって開き直ってましたが,問題はやっぱり自分の脳にあるっぽいですね(笑)

思い込みですよ,きっと.化学には1年間でいろいろな単元が出てきます.どれかはきっと興味を持てるものになるでしょう.

●火曜5限ダメです,出たいです!

残念.でも学習サポートセンター(ASC)は平日毎日オープンなので積極的に利用してください.

●はやぶさのネガティブニュースを聞いていたので,安心しました.

いま分析中.たのしみです.

質問

●水よりもアルコールの方が皮膚に塗ったとき冷たく感じるのは,蒸発するのがはやく,エネルギーが大きいから,ということですか?

蒸発熱は水の方が大きいのですが,エタノールは沸点が水よりも低く,水と比べると速やかに蒸発して行きます.そのため体温付近では水よりも冷たくなるのです.

●水銀柱みたいな原理って,他の液体でもできるんですか? できるなら,何がいちばん高く上がるのか知りたいです!

水だと10 mくらい上がります.密度の小さい液体ほど高く上がります.いちばん密度の小さい液体,が答えになります.それが何なのかはちょっとわかりませんねぇ.

●車で冷房をつけると下から水が出ていると思うんですが,あれも気液サイクルで生じたものですか?

●冷房付けると水が出てくるのはなぜですか?

空中の水蒸気が液化したものです.

●HFC-152aの殺虫剤は火事にならないんですか?

燃えるガスなのですが,点火するために求められる温度が高いため,わざわざ燃やそうとしない限り火事にはならないでしょう.

●寒いとき,服を着る以外に暖め方ってありますか? クーラー切っても寒かったんですが・・・

講義開始時にクーラーの設定温度を上げて置きましょう.校舎建て替えまでしばらくお待ちください.

●もうすぐ七夕ですね.ここら辺でも天の川ってきれいに見えるんですか?

きびしいです.国道が近いし.

●環境に良いクーラーというのは,つくることができないのですか?

環境負荷を減らすことはできますが,ゼロにはできません.

●前回配布されたプリント(化学反応式とモル)で,p144,復習問題6の(e)の問題なんですが,Mg3N2とH2Oのモルを比べるところは分かるのですが,molが少ないMg3N2の方で考えるのは何故ですか?

モルで比べて少ない方のMg3N2が消費しつくされたところで反応が終わるからです.その段階でのMg(OH)2が最大量になります.

●冷媒とありましたが,触媒のなかの一種なのですか.また,冷媒とあるので,その反対はありますか.

触媒とは関係ありません.「媒体」の「媒」です.温媒というものがあります.暖房の場合に用いられる用語です.

●この前,ゆでたまごを電子レンジでつくれるときいたんですが,そういう器具あるんですか?

あります.たとえば↓

 

 

●そろそろドルトンですか? 化学IIはtest範囲に入りますか?

お待たせ次回やります.化学IIでも出て来た平衡論は前期の試験範囲です.

●フロンと代替フロンは違いがあるんですか?

参考URL

次回予告

気体の法則をおわらせ,第9章「反応速度と化学平衡」に進みます.

リンク

www.tnojima.net
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*1:厳密には同じではない