Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

(7)実験レポートのかきかた(2)

実験手順書をよむ→実験をやってみる→レポートにまとめる,という流れを体験する3回コースの最終回です.前回の記録↓

実験中の記録をふりかえる

先週の「ペーパークロマトグラフィー実験」の際に記録してもらった,「実験ノート」と,「実験手順書に従って操作を進めながら気づいた点の記録」を,各グループから発表してもらいました.
異なる条件で2種類の操作を行った場合に,比較できるように同一ページの左右に該当項目を記入するとか,器具のイラストを描いて説明するといった工夫がみられました.先週と同じ5つの班からそれぞれ発表してもらい,それぞれに私からコメントしました.

解説講義「実験レポートの書き方」

実験レポートとはそもそも何なのか,各項目には具体的に何を書けばいいのか,どのような文体にしたらよいのか,気を付ける点はどこなのか,といった点を解説しました.
続いて,もっとも悩ましい「考察をどうしよう問題」への対処の仕方を解説しました.「考察ネタさがしの方法」.
「困ったときには理論値との差をネタにしろ」
これでだいたいの実験課題は考察クリアできます.
考察する場合には,理論値との差をみて,(1)結構イイかんじ,(2)もうちょっと行ってほしかった,(3)ぜんぜんだめ,の3パターンに分けるところから始めましょう.
(1)の場合は,「どのような点に気をつけていたからウマく行った,だから,その点が重要な因子であったことが確認できた」というパターンにできます.
(2)の場合は,「順調に行っていたのだが,これこれのところが作業しづらくて,ちょっとうまく行かなかった.ここがうまく行っていればもうちょっと行けたかもしれない」というようなパターンにできます.別名「責任転嫁」.
(3)の場合は,「うまく行かなかった理由はイロイロ考えられる.たとえばあそこでこういうことがあったし,また,あそこではこのようなこともあった.そうした理由が不調の原因である.ちゃんとやっていればウマく行ったんだろうけど」というようなパターンを使います.別名「転んでもタダでは起きない作戦」.
考察で苦労しないためには,実験前の予習段階で考察ネタをいくつか探しておくことです.実験テキストや実験書を見て,気を付けて操作しなければならない箇所をチェックしておけば,そのあたりに考察ネタが付いてくるものです.で,実際に実験をやってみると,確かに考える点がみつかるのです.そこを考察ネタに使いましょう.ぜんぶ実験が終わってから考察,というのは苦しいのです.
というような,
「実験科目も担当している大学教員が,1年生集団を相手に考察ネタを話す」
という,前代未聞の状況になったわけですが,眠ってしまっていた1年生もいました.卒業まで考察で苦労しますよ.
このあたりのことは別ページにまとめてあります↓

当初,ここでレポート添削のグループワークをやろうと思っていたのですが,時間に余裕がなかったため,ナシにしました.代わりに私が全員のレポートをチェックしてコメントを付けることにしました.次回の前半に全体講評をやります.

次回予告

次回は小島先生による「文章表現法」です.

前回までの記録

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