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Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

医療工学科の化学講義(5)原子の構造その2+原子の結合その1

医療工2010

履修者総数は84名に確定しました.今回の出席者80名.

前回やったこと・質問・コメント・その他紹介

以下のようなコメントを紹介するとともに,質問に回答しました.









イオン

先週は原子にエネルギーを与えて励起状態にする話をしました.その続きです.さらに強いエネルギーを与えた場合には原子は電子を失って陽イオン(カチオン)になります.逆に,外部から原子に電子を与えた場合,原子は陰イオン(アニオン)となります.

周期律

原子半径,電気伝導度,熱伝導度には周期性がみられます.周期性を把握できるように元素をレイアウトしたテーブルが周期表です.

●典型元素とかの言葉の意味がよく分からず覚えさせられていたけど,今日の授業で理解できた.
●高校ではイオン化エネルギーと電子親和力はもっぱら言葉で説明されてごっちゃになっていたので今日復習がてら理解できてよかった.
●今まで半導体って何なのかよくわからなかったけど,電子が一方にしか流れない性質を持つものだと知ってスッキリしました.
●大学に入ってまで周期表をやったので,少し拍子抜けしました.
●周期表から飛び出ているランタノイド系とアクチノイド系がいつもなぞでした.
●周期律ごちゃごちゃになりそうです.(;_;)
●世の中の元素は金属ばっかりだと思わなかった.

金属・非金属・メタロイド

元素の分類方法のひとつが「金属・非金属・メタロイド」に分けるものです.

●メタロイドって軽金属元素ってことではないですよね?

ちがいます.軽金属は比重が4以下の金属のことです.

●金属って軽金属元素と重金属元素のことを言うんですか?

そうです

アルカリ金属

周期表の1族で水素以外の元素をアルカリ金属と分類しています.アルカリ金属は水と激しく反応します.

●アルカリ金属を水に入れる実験の映像はすごくテンションが上がりました.高校の化学では実験とか時間がなくてできなくて,ただひたすら暗記って感じだったので,映像とか写真があるとインパクトがあってうれしいです.
●アルカリ金属は水と反応させると良くないというのは聞いたことあるけれど,下に行けば行くほどあんなに反応するとは思わなかった.世界には勇気あるチャレンジャーがいるんですね.
●アルカリ金属の映像は見たことありました.危険ですよね.さすが海外って感じです.ハロゲンの方は見たことなかったので面白かったです.
●アルカリ金属を水に入れただけで反応があんなになるとは想像以上のものだった.
●爆発実験のMovieは,たまらなく面白い(^^)!!
●海外の映像がとても面白いです!
●爆発の映像がおもしろかった.
●ばくはつの実験はすごかった.
●爆発の映像がすごく面白かったです.ワクワクしました!笑
●バスタブに色々な金属を入れる実験の映像がとても面白かったです.
●高校でもアルカリ金属を水に入れると危ないと習ってはいたけれど,どのくらいの爆発なのか見たコトがなかったからおどろいた.
●今回も爆発すごかった! アルカリ金属すごいなあと思いました.ハロゲンも危険だなあと思いました.
●映像めっちゃおもしろかったです.
●実験のビデオはとてもわかりやすかった.
●ルビジウムの爆発もすごいと思ったが,セシウムはバスタブがコナゴナになったので驚いた.
●セシウムの爆発映像がびっくりした!!
●セシウムはハンパないと思いました!
●セシウムは最強だと思った.
●Csの反応はすごかった!
●高校で先生がNaを水中にぶっこむ実験は見たことがあったけど,セシウムとかの実験は初めて見たのでびっくりしました.アルカリ金属ってすごい.
●あの外人って,前も電子レンジを爆発させてた人ですよね?元気だな-と思います.
●爆発がみれてとてもよかった.自分もあのような実験がしてみたいと思った.サイエンスはおもしろい!
●爆発実験の映像面白かったです.セシウムとかバスタブに入れて逃げる研究員が特に.
●爆発の実験と,実験者の避難する様がとてもおもしろしゅうございました!
●いつも面白く,ためになる(?)動画ありがとうございます.外国人は日本人に比べて,やはり実験もド派手ですね・・・(笑)
●アルカリ金属を水に入れるだけであんなに爆発するとは思っていなかったので,おもしろかったです。
●アルカリ金属類があんなに激しい反応をするのにおどろいた。化学兵器がつくれちゃいそう...。つくってるのかな。
●イギリスって好奇心旺盛で面白いですね.セシウム怖いです.今日の夢に出てきそう.
●アルカリ金属の水に対する性質は知っていたけど,映像でみたことはなかったので,とてもおもしろかったです.
●Cs,Rbを水に入れて爆発させて飛び散った水たちは強アルカリですよね? その場に出ていってトークするのは危険じゃないんですかね・・・完全にビデオに衝撃を受けました(笑)
●バスタブが粉々になるビデオはすごくおもしろくて化学にもっと興味がわいたから,日本でもあんな番組があればいいのにと思った.
●もっと幼い頃にああいう番組をみていたら,もっと化学に興味をもっていたかもしれない.あ,でも,NHKで朝,化学番組やってますよね.土曜日だったかな・・・でかもう打ち切られているかも・・・
●プールにナトリウム投げたくなりました.冗談です.
●爆発やばかったです!! ぜひともFrも見てみたいですけど・・・吹っ飛びますかね。笑
●あんなにちょっとの量で爆発してしまうのがすごい
●セシウムやばいです.欲しいです.そして遊びたいです.
●またおもしろいビデオをみたい
●ビデオおもしろかったです
●アルカリ金属やハロゲンは爆発させるととても危険だということが分かりました.真似はしないようにしたいです.
●アルカリ金属のところがおもしろかったです.

●爆発がとてもおもしろかった.あの少しの量のアルカリ金属で,バスタブ内すべての水が強アルカリ性になっているのか?

なっています.

●ルビジウムやセシウムは身体の中に入れると爆発するのだろうか?

●人が間違えてCsやRbを飲んでしまったら・・・ぼーん!!ですか?

ぼーん!!です.胃袋の中は塩酸ですしねぇ.

●アルカリ金属類系がマズいというのは分かりましたが,しかけを作ればこれらの元素はテロなどに利用されたりする日がくるんでしょうか・・・・.危ないですけど.

アルカリ金属をまき散らされたらホントに困った事態になりますが,テロをやる連中はこういう取り扱いが面倒なモノを選ばないでしょうねぇ.もっと小型で威力のある爆弾があることだし.

●爆発の実験,おもしろかったです.是非ともフランシウムもやって頂きたかった・・・

●化学の映像をみてセシウムの威力にびっくりしました.次はフランシウムの映像を見たいと思いました.化学は深い.

●フランシウムの実験したい.海でフランシウムを入れて実験してみたい!←楽しそう

フランシウムは化学実験できるほどの量を集めることができないんですよ.そして放射線を出す物質なので,危険なんですよ.

アルカリ土類金属

アルカリ金属のお隣,2族の元素のなかで,Ca, Sr, Ba,Raはアルカリ土類金属として分類されます.これらも互いによく似た化学的性質を示します.

●辞書で調べたら,2族でアルカリ土類金属はCaからと書いてありました.BeとMgはなぜ属さないのでしょうか?

化学的な性質が異なるからです.

  • Ca,Sr,Ba,Ra→炎色反応を示す,水と容易に反応する,酸化物が強いアルカリ性を示す.
  • BeとMg→炎色反応を示さない,水と反応させるには加熱する必要あり,酸化物が強いアルカリ性を示さない.

という感じ.

●アルカリ土類にはBe,Mgは入れないんですか?ってか,入れてもバツじゃないんでしょうか?

書籍によっては入れている場合もあります.入れるか入れないかはscientificな議論ではないので,少なくとも私のつくる問題ではそういうことは扱いません.

希ガス

こんどは周期表の右側.18族は安定なガス(常温常圧で)の集まりです,これら元素は希ガスとよばれます.

ハロゲン

17族の元素はハロゲンと呼ばれます.ハロゲンのガスは金属と反応します.人体に有毒な物質です.

●ハロゲンがやばいことがわかりました.でも反応が予想以上で素直にびっくりしました.
●ハロゲンの気体の中で燃えるということは知らなかったです.
●ハロゲンがあんなに反応しやすいとは思わなかったのでびっくりしました.
●ハロゲンの実験は全然知らなかったコトばかりで燃えたり反応したり,見ていて楽しかった.
●映像でみるとハロゲンのイメージが変わりますね!

●フッ素の「フッ」は漢字がありますか? あったら教えてください.ヨウ素もできたら・・・

「弗素」と「沃素」.英語ではfluorineとiodine.

●「F Cl Br I At」は「ふっくらボリューム私の頭」で高校のときに覚えました.
●ふっくらしゅういあたたかい,で覚えました.
●自分たちの学校では,ハロゲンの覚え方はふっくら[中略]でした!(笑)
●ふっくら[以下略]

どんな覚え方でも,覚えられれば結構です.

●金属や分子が反応するときに炎や光,爆発などいろいろな形で反応していますが,何か法則やエネルギーによって光や炎,爆発などが起きるのですか?

第9章「化学平衡と反応速度」のところで説明します.

第5章「原子の結合」(p90)

物質の構成要素である原子のしくみがわかったところで,それらをつなぐ「結合」を見て行くことにしましょう.
共有結合,イオン結合,金属結合,水素結合,配位結合,に分類し,来週からそれぞれくわしく見て行きます.

●イオン結合と共有結合がごっちゃになっていたので助かりました.
●結合の種類がややこしくて,高校ではあやふやにしてしまったので,どうにかしたいです.

オクテット則

原子番号1番から22番あたりまでの元素から成る化合物の組成予測に便利な法則が「オクテット則」です.これは最外殻軌道に電子が8個入った状態,すなわち希ガスの電子配置になりたがる傾向のことです.

予習課題

「原子の結合」のところでもイロイロと語句が出てくるので,教科書を読みながら言葉を調べてきてもらうことにしました.予習課題を配布しました.ここに出て来る言葉の関連性を次週から解説して行きます.

●予習課題の6の問題は「非共有結合」ではなくて「非極性共有結合」ではないですか?

おお,失礼,ミステイク! 事務に頼んで掲示してもらいました.

全般

●今日も楽しかったです.ありがとうございました.
●今日の授業も楽しかったです.(ばくはつとか).
●身近な物質でも使い方をまちがえると大変なことになると知っておどろいた.
●野島万歳
●今日の授業は「野島高彦のごきげんよう」って感じだった.これからもエントロピー爆発で大きな字で頑張ってください.
●デカ文字サイコー!
●一年の授業の中でいちばんおもしろいと思う.
●取り扱い注意!の映像がとても面白かったです.何だか大学っぽいなぁ(笑)
●化学得意ですが,初めてでもとても分かりやすいと思いました! 先生スゲェー(0o0)
●高校でイオン化エネルギーと電子親和力がまざってしまっていたので,区別できました.そのときのe-の動きの説明がほしかったです.
●電子親和力とイオン化エネルギーがよく頭の中でごちゃごちゃになるので,復習してちゃんと区別したいと思う.
●元素のウンウン〜と同じような名前が付いている理由が分かってすっきりした.
●典型元素とか周期律とか高校の時に必死に覚えたので,とてもなつかしかった.
●何回も聞いたことのあることだったが,ここでしっかりと整理しようと思う.
●高校の時の復習になった.忘れかけていたものもあったのでよかった.
●今回の講義は高校の化学の復習みたいなことで,新しい知識はつかなかったけれど,改めて確認できた.
●先生って天然みたいで可愛い性格なんですね。教授ってみんなそうなんでしょうか?ただ廊下であいさつするときに無視しないで下さい・・・・!!(>Δ<)
●先生の話し方がおもしろい.
●電気陰性度や電子親和力,イオン化エネルギーで右上にいくにつれ大きくなるとか,そうゆうのがなかなか覚えられなかったので,これを機にしっかりと覚えたい.
●反応を映像とかで実際にみられると分かりやすくていい.
●爆発の映像は眠気がさめるのでいいともう!!
●手でふれただけで重さが変化すると聞いて(COOH)2を測るときに使った道具を思い出しました.人の手についた微小の物体で影響するのは「ゴミ」と実験のときに言われたのですが汗とかも入りますか?
●化学はとても便利だけど使い方に気をつけないと,とても危険なものでもあるなー(^^;)って思いました.
●元素は種類も多く,性質もそれおぞれ違うから,覚えるのが大変そう.アルカリ金属やハロゲンは危険だと知った.
●アルカリ金属とハロゲンの映像がすごかった!もっといろいろ見たい.
●たのしかった.
●とてもわかりやすかった.
●授業中寝てしまいました.でも動画の爆発音で起きれました.
●授業時間が短く感じた.
●化学・・・奥が深いですね.
●レポートちゃんとやってきたいです.
●実験の映像をみてはやく実験したいと思いました.楽しみです.
●冷房がだんだん寒くなりました.

質問

●先生ってかわりものですか?

そう言う人もいますが自分ではそのように思っていません.

●僕はテニスをしているんですけど,雨の日には試合が中止されるのは,もしかしてラケットにCsが使われているからですか?

違います.もしそうだとしたら,ラケットを水洗いしたり,汗でぬらしたりできませんね.もしかして「CS-CNT」をセシウムの関係する物質だと考えていませんか? このCS-はCs(セシウム)ではなくて,カップ積層型,の意味です.炭素素材カーボンナノチューブ(CNT)がとる形態のひとつです.身の周りの素材に関心をもつのはよいことです.

●マイナスイオンはどうして体によいと言われているのですか? なぜ滝などからマイナスイオンが出るのですか?

「マイナスイオンが体に良い」ことを示す科学的な証拠はありません.そのようなイメージで商品がつくられ,売られているだけなのです.そもそも「マイナスイオン」なるものが何なのかがいい加減だったりします.静電気をもった水滴のことだったりするわけですが,これが何か健康に関係するという証拠もないのです.というわけで,最近では電器店に行っても「マイナスイオン」の文字列を見なくなりました.TVコマーシャルでも放映されなくなりましたね.こういうのは疑似科学やインチキ科学とよばれるものごとに分類される場合が多いので要注意.

●こども向けなのに外人はやることがちがう・・・ああいう動画はどうすれば見れるんですか.

YouTube.

●放射線物理学で電子にはe-とe+があると教わったのですが,化学ではe-しか使わないのでしょうか?

はい.そうです.

●ハロゲンヒーターって17族のハロゲンと関係するのでしょうか?

関係します.ガラス管の中の気体にハロゲンが含まれているのです.

●SiO2って高校で共有結合だと言われました.でもSiがメタロイドでOが非金属なのに,共有結合なんですか?

イオン結合と共有結合とを電気陰性度の差から判別する方法,というものを次回かその次あたりにやるので,そこで解決するでしょう.

●イオン化エネルギーや電子親和力の同一周期,同族での大小はどのような向きでしたっけ?


次回予告

次回は5月26日.「原子の結合」を進めます.