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Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

化学講義(24)バイオテクノロジー支援化学

前回の講義に対する感想コメントその他なんでも一括紹介

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↑ここに書かれている内容に対してコメント&解説しました.

詳細は前回の議事録参照→第23回(2009-12-02)

質問への回答(1)フィブリンとフィブロイン

カイコがつくる糸の主成分がフィブロイン,血液凝固にかかわるたんぱく質がフィブリンです.名前は似ていますが別のたんぱく質です.

血液を凝固させないヘパリンという物質があるのですが、フィブリンとヘパリンはどのような関係があるのですか?

フィブリンはたんぱく質,ヘパリンは糖です.結合するような直接的な相互作用はありません.フィブリンが血液凝固に関わる際に必要となるたんぱく質に関係するたんぱく質にヘパリンが結合する,というような間接的な関係です.

質問への回答(2)二酸化炭素地下貯留技術

石油や石炭を掘り出すかわりに二酸化炭素を地下に埋めようという計画です.実用化の可能性が検討されていますが,どの程度の成果があがるのかは不明です.

質問への回答(3)眠気との戦い

カフェインの力を借りてみましょう.コーヒーを飲んでみるのが良いかもしれません(体質に合わなければやめておいたほうがいい).

(1)ペプチドの化学合成

今回は動画と説明図が多かったので板書をせずにすべてスライドで講義を進めました.ノートをとらずにスライドに集中できるよう,資料プリントを配布しておきました.

アミノ酸がアミド結合で複数個つながった分子がペプチドです.「短い」鎖長のものをオリゴペプチド,「長い」鎖長のものをポリペプチドと呼んでいますが,両者の間に明確な境目はありません.

ポリペプチドのうち,機能と特異的立体構造をもったものがたんぱく質です.

ペプチドを記す際にはアミノ基を左側に,カルボキシル基を右側に置きます.それぞれN末端,C末端と呼びます.

液相法と固相法を説明しました.液相法は20アミノ酸残基程度のペプチド合成に利用できます.それよりも長い鎖長のペプチドには固相法合成が用いられています.固相法合成は自動合成機を用いて行われる方法です.

副反応が起こらないよう,脱水縮合に関係しない官能基を保護基で守っておくことがペプチド合成のポイントです.細胞内でペプチドはN末端から合成されますが,化学合成はC末端から進められます.

(2)DNAの化学合成

DNAはデオキシリボヌクレオシド三リン酸が重合した高分子です.

ペプチド固相合成法と類似した手法でDNAも合成されています.固相合成法では50残基程度までの一本鎖DNAが得られます.これは後述するPCRやDNAシーケンシングに用いられます.

DNAの方向性をあらわすために5'-末端,3'-末端が定義されています.細胞内でDNAは5'-末端から合成されますが,化学合成では3'-末端から合成が進められます.

参考図書

DVD&図解 見てわかるDNAのしくみ (ブルーバックス)

DVD&図解 見てわかるDNAのしくみ (ブルーバックス)

 

DNAの不思議が分かった。

(3)DNA増幅(PCR)

特定配列のDNAを特異的に増幅する手法がPCRです.

参考ムービー

PCRは犯罪捜査,感染症診断,遺伝子工学実験など広い範囲に応用されている技術です.鋳型となるDNA,4種類のデオキシリボヌクレオシド三リン酸,化学合成された一本鎖DNA(プライマー),耐熱性DNA合成酵素,そしてプログラマブルな温度コントローラーが必要です.

(4)DNA配列解読

サンガー法を解説しました.蛍光標識されたジデオキシリボヌクレオシド三リン酸を反応液に混ぜておくことがポイントです.DNAの解読効率は年々高くなっています.2003年にはヒトのゲノムDNAを読み取る作業が完了しています.その他の生物に対してもゲノム読み取り作業が次々と完了しています.

参考ムービー

ゲノムの話おもしろかったです。

遺伝子増幅反応の色素をつけて出た色でそこに何があるかわかるとおっしゃっていたのですが、何番目という位置がどうしてわかるのかわかりません。

次回,説明します.

後半の話はなかなか難しかったです。

どのあたりでしょうか.二重らせんの分子鎖がお互いに逆を向いている,というあたりでひっかかる人が多いようです.あとはDNAシーケンスを色で見るあたりでしょうか.

後期試験模擬問題配布

模擬問題を最大限に活用して、テスト頑張ります。

テスト問題ありがとうございます。

健闘を祈ります.

追加問題の模擬問題もほしいです.

甘いです.

提出した模擬問題の答案、期末テスト前に返してもらえますか?

OKです.

モル濃度のプリントなくしたみたいなんでもう一度ください.

OKです(しょうがないな).

その他のコメント紹介

生物の内容なところを化学的に理解するのはとても楽しかったです。

同じ対象でも異なる視点でとらえるのは面白いし重要なことなのです.

実際に使われている仕組を知るのはおもしろいです

身近なものごとのしくみに興味をもちましょう.

次回予告

医療や生命科学に関連する化学は今どこまで進展しており,これから先の10年間でどのように発展するのでしょうか.2019年の化学(医療関連)を考えます.2009年度の水曜1限化学講義は最終回になります.

来週、最後の心境はいかがですか?

悲しくて涙が止まりません.

「別れも人生」←深いです。流石、人生の先輩。

わかるときが来ますよ.

次回が楽しみです。

Thanks.

リンク

www.tnojima.net
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