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Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

看護学科の化学講義(24)窒素を含む有機化合物

看護2009

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教科書第16章「含窒素有機化合物」を扱いました.

教科書に合わせて講義を進めるのは本日までとし,次回と次々回は医療や生命科学を支援する化学について,第17章以降の内容を混ぜながら解説します.

前回の講義に対する感想コメントその他なんでも一括紹介

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↑ここに書かれている内容に対してコメント&解説しました.

詳細は前回の講義録参照→第23回(2009-11-27)

窒素を含む有機化合物いろいろ

アミン,アミド,ニトリル,について例を挙げて説明しました.アミンとアミドは生体高分子のあちらこちらに登場する構成要素です.これらの水素結合能は生体が組み立てられる上で重要な役割を果たしています.ニトリルはアクリル繊維(ポリアクリロニトリル, PAN),瞬間接着剤(α-シアノアクリル酸エステル),有機溶媒(アセトニトリル)などに含まれる構成要素です.

ナイロン66

世界初の人工繊維はナイロン66です.人工繊維を開発することになった経緯,分子設計の道のり,開発者カロザースの人生,現在の合成繊維,について説明しました.

いちばん最初につくった合成繊維がナイロンだったのか! 製法が少しおもしろかった。

ナイロン66ってすごいですね!

ナイロン66の「66」は炭素の数が関係していたんですね。今は合成繊維が入っていない服を探す方が大変な気がします。

高校では「6,6-ナイロン」や「6-ナイロン」と教わりました。いつも思うのですが、同じものでも大学だと呼び方が変わるのは何でですかね?

大学だと呼び名が変わるというわけではなくて,いろいろな名称が統一されることなく世の中で使われているのです.高校までは教科書の内容を各出版社で合わせてありますが,一歩外に出ると混乱しているのです.

「6,6-ナイロンとナイロン66」あたりなら同じものだと察しがつきますが,「イソプロピルアルコールと2-プロパノール」とか,「アセトンとプロペン」というように,異なるシステムで同一の物質に名称がつけられるのは非常に不便です.講義では「有機化学の命名法」を扱いませんでしたが,その最大の理由は,名前の付け方をきっちりと説明しているとキリがないからです.

瞬間接着剤

一滴垂らすだけで重量物をも引っ張り上げることのできる瞬間接着剤.医療用のものもつくられています.

α-シアノアクリル酸エステルが付加重合することによって透明硬質の高分子になることを利用しています.この反応は空気中や接着面の水分からの攻撃ではじまります.

アロンアルファはプラスチックになってたなんてビックリです!!

アロンアルファーが水で反応するのはびっくりしました。じゃあ、もしアロンアルファが手にくっついてしまい、それを落とそうと水のみで手を洗ったら よけいにくっついて、おちなくなってしまうのですか?

手にくっついて固まった後は大丈夫です.いちど固まったらぬらしても変化はありません.固まる前だと多量の水と反応して熱が出たりして危険です.もっとも,そんなに多量の接着剤を手にこぼすこともないでしょう.

差し歯が割れて困った時に歯医者さんにアロンアルファでくっつけておいてといわれたことがあります。亀の甲羅が割れた時にアロンアルファでした。理にかなっていたんですね!

そうです.ただ,人体に使用するのはおすすめできません.雑菌なども巻き込んでしまって.化膿する場合があるからです.

その他

蟻のふりかけはTVレポーターによると すっぱいそうです。

これは蟻酸に関係して,「世界には蟻の料理というものもある」という話に関連したコメントです.酸っぱいのはたぶん蟻酸でしょうねえ(ぜんぶの蟻が蟻酸を持っているわけではありません).

先生に一般教養化学だけでなく、生化学とか分子生物学も教わってみたいと思いました。

同じ科目でも担当者が変わると違った面が見えてくることがあります.生化学とか分子生物学についても疑問点などがあればいつでも質問しにきてください.私は生化学・分子生物学の研究室にいたこともあるので,基礎的な範囲は対応可能です(たぶん).

化学ってすごいですね。生活と密接してるんですね。

そうなんです.生活を快適・便利にしているのです.

テスト不安です。

何科目もある試験科目の中で,化学は難しい方に入らないとおもうんですけどねえ.

テストおそろしいです。高分子書け!とか言わないで下さいね!

医療分野でも使われているような汎用的な高分子は,化学式を見て名称を答えられるようになっておくと後々便利ですよ.

あと2回・・・ねぼうせずにがんばって来ます!

おまちしております.

最近遅刻ぎみなので気をつけます

フトンが恋しい季節です.でも,途中から来ても何だか訳がわからないでしょう.

次回予告

生命科学を支援する化学について解説します.ペプチド合成,DNA合成,DNA増幅(PCR),DNA塩基配列解読,の化学を説明する予定です.

リンク

www.tnojima.net
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