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Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

化学講義(22)酸素を含む有機化合物その2

医療工2009

前回に引き続き酸素を含む有機化合物について解説しました.特にエステルの化学を中心に講義を進めました.

前回の講義に対する感想コメントその他なんでも一括紹介

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↑ここに書かれている内容に対してコメント&解説しました.

詳細は前回の議事録参照→第21回(2009-11-18)

化学トピック(1)大分香りの博物館

大分県別府市にある,大分香りの博物館を紹介しました.この夏に見学に行ってきた場所です.

よい香りのする物質の多くはアルデヒド,ケトン,アルコール,エステルといった酸素を含む有機化合物を主成分とします.

天然から芳香成分を得る際,植物からだけでなく,動物の体内から取り出されるものもあります.

代表的な香料源と,それらをもつ生き物について説明しました.

化学トピック(2)プロドラッグ

カルボン酸のかたちでは体内に吸収されにくい薬剤を投与する際,カルボン酸をエステルにしておいて体内で酵素に加水分解させる方法が用いられます.このような化学修飾を施された薬剤をプロドラッグと呼びます.いま話題のタミフルもそのひとつです.

タミフルわかりました。なぜ48時間以内でないとダメなのですか? ちなみに私はリレンザでした。

48時間を過ぎると体内でウイルスが増えきってしまって,薬剤の威力を発揮できないからです.厳密に48時間というわけではなく,早ければ早いほど良し,です.

補足資料配付

第14章「不飽和炭化水素」に関連して説明する機会を逸しているトピックを印刷配布しました.

ダウンロード→第14章「不飽和炭化水素」

定点カメラ撮影の紹介

新棟建設工事現場の写真を撮影し続けています.最終的にパラパラマンガのようなことをやろうという計画です.

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(定点カメラ)ひそかな楽しみにしていたんですが、言ってみるものです。いつ撮っているのか気になってました。朝撮っているんですね。

朝の習慣になってます.撮影ポイントは7地点.

カルボニル基の結合分極・ヘミアセタール・ケタール

カルボニル基では酸素原子と炭素原子の電気陰性度の差から,結合に用いられている電子対が酸素側にかたよっています.このため,炭素原子は外部からの電子供与を受けやすくなっています.ここからさまざまな化学反応がスタートします*1

ヘミアセタール構造は高3で勉強したが、より詳しく知れてよかった。

糖の内容のとこなど分かりやすく、やっていて楽しかった。

カルボン酸

ギ酸,酢酸,安息香酸,それに関連化合物のサリチル酸,サリチル酸メチル,アセチルサリチル酸は覚えましょう.

エステル

ニトログリセリンが狭心症の薬になるとは驚きました。

意外なものが意外なところに効くのも化学のおもしろいところです.

狭心症の人が爆薬を運んでいたことからニトログリセリンが狭心症に効くと判明した話がおもしろかったです。

偶然の発見はあちらこちらに待ち構えているのです.逃したくないものです.

HO-CH2-CH2-OH→-[-O-CH2-CH2-]-nになったりしませんか?

これはいいところに目をつけました.この反応は存在し,生成される物質はポリエチレングリコール(PEG)という医療分野でも用いられている高分子化合物です.たとえば細胞への遺伝子導入などにPEGは用いられています.(比較的)人畜無害な高分子化合物です.

油脂とセッケン

ポリエステル

高校のとき、「ポリエチレンテレフタレート」って名前を友達と必死に覚えてたのを思い出しました。

再度思い出しで記憶を定着させましょう.

生分解性ポリマー

ほうごう糸とかについて分かってよかったです

ポリマー化学のあたりは医療との関連性が深い領域です.

その他

「物理学じゃねー化学だー! ゴルア!」は素晴らしいと思いました。

前回,出席カードの科目名記入欄に「物理学」と書いてきた学生が2名いましたので注意しました*2

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今日の出席カードを確認したら,全員が化学と書いていましたが,どうも別科目名を書いてから直した形跡のあるものも混じっていました(おしおきするつもりもありませんが).

化学のテストに向けて何を勉強していいか分かりません。

12月に入ってから前期のように「傾向と対策の模擬問題」を配布します.それから考えましょう.

よく分かりました。

特にありません。

特にありません.

次回予告

窒素を含む有機化合物をやります.ナイロン開発物語,瞬間接着剤のしくみ,といったトピックも採り上げます.

リンク

www.tnojima.net
www.tnojima.net

*1:実際にはこれがトリガーになっているとはかぎらず,分子内の電子はほぼ一斉に流れると考えられています

*2:罰として物理学の出席カードに「化学」と書いてこい,と指示しようと思ったのですが止めました