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Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

看護学科の化学講義(15)水・溶液・コロイド(2)

先週に続いて「水・溶液・コロイド」を解説しました.

前回の講義に対する感想コメントその他なんでも一括紹介

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詳細は前回の講義録参照

化学に関係するトピック(1):月に水が存在するかもしれない

昨日のニュース.月には水はほとんど存在しないと考えられていましたが,アメリカとインドの共同研究チームは,月面にわずかな量の水が存在するかもしれない,と考えられるデータを発表しました.

化学に関係するトピック(2):エコナ

「エコナクッキングオイル」が先週,出荷停止となりました.

そもそもエコナの何がどのように問題とされたのか,食品の安全とはそもそも何なのか,どのようにとらえるべきなのか.社会にどのような影響(株価への影響とか)があらわれるのか,というようなことを説明しました.

エコナはみんなさわいでいるけど、実際発がん性の物質ができているかどうかはまだわからないんですね。

そうです.「何の危険性もないことが保証されている食品」は現実には存在しません.大なり小なりリスクは存在しているわけです.そのリスクとどのように向かい合うかが大切です.

講義内容に関連したトピック:結石

結石は体内で水に難溶の塩が生成されることにはじまります.イオン間の組み合わせで1種類でも難溶性のものがあれば沈殿が生じます.結石はリン酸イオンとカルシウムイオンとの組み合わせが難溶性を示すために生じるものです.

コロイドの性質(p270)

溶媒中の粒子を支配する力として,分子運動,ブラウン運動,重力についてかんたんにまとめました.

続いて,細胞内部がコロイドの世界であることを説明してから,コロイドとブラウン運動の関係,チンダル現象,物理吸着能,について解説しました.

夏、飛行機に乗る機会があって、いつもは下から見上げる雲間の光を雲の上から見下ろすことができました。ともすると光を見てると勘違いしがちですが、私たちは光を反射しているホコリや雲の力を借りなければ光を見ることができないのだと改めて認識しました。

森とかでよく見る木もれ日の光って、きちんと理由があってあのような見え方をするんですね。

そうなんです.空気中の粒子は小さすぎて目で見ることはできません.しかし,チンダル現象を通じて,そこに確かに粒子が存在していることが私たちにはわかります.

木もれ日の光路がチンダル現象なら、スポットライトの光路もチンダル現象ですか?映画は?

スポットライトの光路も,映画館の投影光の光路も,チンダル現象です.

夕日の色が濃かったりうすかったりするのは何か関係あるのですか。それとも私の気のせいでしょうか。

それは気のせいではありません.空の色は大気の状態を反映します.日没時には太陽の光は地平線近くの角度から差し込んでくるので,大気中の移動距離が長くなります.そのため,まず最初に波長の短い青などの色が失われ,オレンジ色が残ります.大気が厚くなれば,大気成分の微妙な違いも色に大きな影響を与えるようになります.

空気が乾いた冬の夕焼けでは,大気中の砂埃が影響して,オレンジから紫にグラデーションのかかった鮮やかな空が見られます.砂埃の量が変わるとグラデーションの感じも変わってきます.

チンダル現象ってすごくキレイですよね。

そうです.世界を豊かにしてくれる自然現象のひとつです.

溶液(p272)

食塩の場合と砂糖の場合では,水に溶かしたときの粒子の挙動,粒子をとりまく水分子の挙動が違ったものであることを解説しました.

電解質(強電解質,弱電解質),非電解質について例を挙げて説明しました.

とけるってこういうことなんですね!って思いました。

食塩と砂糖とでは溶け方が違うなんて知らなかった。

水に溶けるもの溶けないものを覚えて見分けるのが苦手なのでがんばりたいです。「コロイド」や「けんだく液」などの言葉は知っているけど意味を忘れていたものがあったので,今日学べてよかったです。

溶けるか溶けないかそこが問題だ(p276)

イオンのくみあわせのうち、1つでも不溶のものがあれば沈殿するという現象はおもしろいなぁと思いました!

その他自由記入欄から

もう25日。はやいですね。がくぜんとしました。

次回は10月ですよ.

次回予告

第11章「溶液の濃度」に進みます.

リンク

www.tnojima.net
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