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Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

ロックギターが宇宙を語る

三鷹市を中心に都内全域で今月12日(土)から27日(日)まで「東京国際科学フェスティバル」が開かれています.

東京天文台のある三鷹市の三鷹市公会堂(私の自宅からバスで15分くらい)でも,本日は「みたかサイエンス&テクノロジーフェア~未来の種を見つけに行こう~」と題したイベントが開催されました.

このなかで私がチェックしていたのは,「11次元ってなぁ~に♪ ロックギターが宇宙を語る」と題された30分間のプログラム.物理学を専攻したマーク・ルーニ博士(英国)がギターを片手に物理学を講演するというイベントです.

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ルーニ博士は,弦の長さ,弦の張り具合,弦の太さ,の3点が弦の「音」を決めるということを,実際にギターの弦を用いて説明してくれました.

そして,この世界の究極の構成要素は「ひも(弦)」なのかもしれない可能性,その弦の組あわせで成り立っている世界は11次元の時空間になっている可能性,そして私たちはその11次元のうち,3つの次元だけを見ているという考え方,が紹介されました.

4次元以上の時空間のうち3次元だけをみている,という説明をイメージするのは簡単ではありません.ルーニ博士は「平面の世界(2次元)に暮らしているアリ」を例えに説明をはじめました.2次元の世界にボールがぶつかったときのことをイメージしてみます.まずボールの端っこが接点として現れることになります.そしてその接点が円状に広がります.ボールの「赤道」が平面に達するまでその円が広がり続けます.つづいて 円は縮小しはじめ,最後に点となり消えます.

もし私たちの世界を「4次元の球」通過するとしたらどのように3次元の私たちにはみえるでしょうか.最初に点が現れ,その点がふくらんでボールになり,続いてそのボールが縮みはじめ,点となり,消えて行くことでしょう.

ギターと物理学との話はルーニ博士がYouTubeで公開している動画でも採り上げられています.

講演後,ポーズを決めて参加者といっしょに写真撮影に応じたり,リクエストに応えてギターを弾いてみたりと,フレンドリーな方でした.私の娘ともいっしょに写真に写ってくれました.

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関連リンク


自分が暮らしている世界の次元数よりも1次元上の世界をイメージする

ルーニ博士の説明をきき,「二次元の世界」という本のことを思いだしました.

(E. A. アボット著,高木 茂男 訳,「二次元の世界 平面の国の不思議な物語」,講談社ブルーバックス315,初版1977年)

四角形,三角形,円,といった「住人」が登場する平面世界の話です.その中に,2次元の世界に立体図形がやってきたら,平面の世界の住人にはどのように理解されるだろか,という説明があります.そしてそのアナロジーとして,我々の暮らす3次元の世界に4次元の物体がやってきた場合に想定される現象が説明されています.

私がこの本を最初に読んだのは小学校高学年か中学校の頃でしたが,理系大学生にもおすすめしたい一冊です.

↑講談社ブルーバックスは絶版になってしまったようです.

フラットランド

フラットランド

 

↑現在は日経BP社から別の訳者によるものが出ているようです.

Flatland: A Romance of Many Dimensions (Dover Thrift Editions)

Flatland: A Romance of Many Dimensions (Dover Thrift Editions)

 

↑本家本元英語版