Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

(5)物質量

41名の学生が履修届けを出しているコースなのですが,今回の出席者数は32名.前回より4名減りました.出席者数が徐々に少なくなっています.化学要習で初歩的な化学を学ばなくても大学1年生の化学を理解するにあたっては問題ないと考えた結果ならよいのですが.

前回の質問への回答

OH-, NO3-, HCO3-, CO32-, PO43-の電子配置がわからないとの質問をもらっていたので,NO3-とPO43-について配位結合をとりいれつつオクテット則に沿うかたちでの結合形成について概略を説明しました*1

講義内容要約

今回からmolが登場しました.化学嫌いにとってはこのあたりから嫌気がさしてくるようです.しかし原子や分子を一個一個数えるのは実用的ではありません.ひとかたまりで取り扱うほうがはるかに便利です.そのための便利な単位がmolです.

  • 126Cの12 g中に含まれる炭素原子の数が6.02×1023個で,これをアボガドロ数と定義します.
  • 6.02×1023/molとなるとアボガドロ定数(NA)になります.
  • 原子であれ分子であれ6.02×1023個あれば1 molです.
  • 1 molの気体の体積は標準状態(1気圧,0℃)において種類を問わず22.4 Lの体積を持ちます.これをアボガドロの法則と呼びます.

講義を終えて

物質の存在様式や種類を問わず1 molのなかには6.02×1023個の粒子があること,気体の場合は標準状態で1 molの体積が22.4 Lになること,の2点は何度も繰り返し述べました.また,分子量(あるいは式量),質量,体積,といった数値の間には関連性があるので,どれか一つ不明の数値がある場合には他の情報を参考に計算できることも説明しました.それでも1時間で解説終了.演習問題とその解説に30分程度を割り当ててゆっくり説明することができました.

出席カードの自由記入欄から

しかし・・・

今回の範囲は難しかったです.でも,わかるようになればパズルみたいで楽しそうです.

全体的によく分かっていない気がしました.質量とかちょっと・・・.家で復習してきます.

化学要習はもともと化学を不得手とする1年生向けの科目なので,molのあたりから理解が難しくなって来るのは仕方がないことかもしれません.慣れてしまえば非常に便利な考え方なので,まずは計算問題をやって慣れて行くことが近道でしょう.

次回予告

第6章「溶液の濃度」に進みます.小学校の算数で「食塩水のもんだい」につまずいて以来,溶液の問題を憎んでいる学生もいそうですが,ここで攻略しましょう.

前回までの記録

*1:超原子価の説明もしなければならないだろうと予想していたのですが,亜硝酸への酸素配位,亜リン酸への酸素配位,で説明できました.そのかわり配位結合を持ち出してきたので理解困難な学生もいた可能性があります.