Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・一般教育部・野島 高彦)

分析化学誌編集会議

今月から日本分析化学会の「分析化学」誌編集委員会に加わりました.日本分析化学会に入会したのは2002年のことでした.九州大学大学院工学研究院応用化学部門で分析化学を研究領域とする研究室に所属したのを機会に入会したのでした.それから7年,学会発表や論文投稿を通じて日本分析化学会の活動に参加させていただいています.

日本分析化学会では会員全員に毎月送られる「ぶんせき」誌,英文学術論文を審査のうえ掲載する「Analytical Sciences」誌,そして和文学術論文を審査のうえ掲載する「分析化学」誌を毎月刊行しています.「分析化学」誌は主に企業や試験研究所における技術的な研究成果を報告する際に選ばれやすいようです.

編集委員会では雑誌に掲載することが決まった論文それぞれについて和文タイトルおよび英文タイトルのチェックを全員で行います.両者の意味するところが異なってしまっている場合もあり,整合性を持たせることが必要なので,この作業を二十数人の委員で行います.これに一時間ほど.その後は購読者数推移や,オンライン公開されている雑誌情報へのアクセス状況などについての報告がありました.

興味深いのはGoogle経由での情報アクセスが9割に達していることです.学術情報データベースやオンライン検索システムも他に数種類ずつ利用できるのですが,圧倒的にGoogleの検索サービスが利用されています.

これまでは論文を投稿するところまでと,審査結果に対する対応,そして受理通知と公開日時の連絡を受け取るところまでしか関わることのなかった学術誌の刊行プロセスですが,今回「分析化学」編集員に加えていただいたことによって,投稿から印刷までの一連の流れを実際に学ぶ機会ができました.3年間の委員期間中,学術誌刊行プロセスへの参加を通じて,国内分析化学分野の発展に少しでも貢献できれば幸いです.

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