Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

テーマを自分で決めるレポートと30秒間トークの原稿を添削

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大学基礎演習の最後の課題セット

私が担当している木曜2限L2-203の大学基礎演習Bでは,「自分でテーマを決める調査レポート」と,「その調査対象の魅力を30秒間の持ち時間でトークする演習」のセットが最終課題となっています.

レポートはこれまでに人間がつくってきた製品とかサービスとかシステムとかから好きなものを1件選び,それがどのようなものなのかを説明し,それが10年後にどのように発展するのかを考察する,という内容です.

未来について考えようぜ☆

そして,そのレポートでテーマとして選んだものごとの魅力を,30秒間の持ち時間でトークをするという演習を全員が行います*1

普段はレポート用紙に指定文字数を埋めるために四苦八苦している学生も,30秒間という制限時間内にまとまるトークを考えるとなると,文字数が制限されている場合もキツいということを理解するようです.

同じ対象を「レポートに書く」のと「その魅力を30秒間でトークする」のでは,同じものごとに対しても捉え方がイロイロあるってことがわかる演習になってるわけです.

アタマの中の使う場所も違うだろうし.

脳外科の医者じゃないからホントのところは知らないけど.

今年のテーマ

で,今年のテーマは次のようなものでした.

  • NFCの一般社会における活用と展望
  • アニマル・セラピーについて
  • 腕時計について
  • 家庭用掃除機の進化
  • カラオケが高齢者にもたらす効果
  • 「原子力」にある世界と今後
  • 自動販売機大国,日本.過去と未来.
  • 食品の冷凍技術
  • 水素を使った燃料電池自動車
  • スープジャーの可能性
  • 多肉植物について
  • たまごっちの軌跡
  • ティッシュペーパーの歴史と今後
  • デジタルサイネージの発展と今後
  • デジタル×フレグランス
  • 夏の流行の色について
  • 日本と米国の軍事用食品で見る日本の食品技術の素晴らしさ
  • 日本におけるポテトチップスを考える
  • 日本のアニメ制作における問題
  • 日本の履物(靴)の歴史
  • プラネタリウムの魅力
  • ポケットからの大きな衝撃〜ポケモンの人気の秘密はいかに〜
  • ホームドアについて
  • マスクを理解し,花粉対策

添削

ほとんどすべてに関して私の「専門外」だし,1年生がA4レポート用紙5枚程度(ソレが指定基準枚数)に書いて来る内容で深い議論を期待するのもアレなので,提出レポートについては減点の対象とはせず,とりあえず細かいことを言わずに自由に書かせて,提出させて,そのうえで「ここをこうすると良くなる」っていう点と,「おいおいレポートとして出すときにこういう書き方はアレだぞ」っていう点を添削して返却します.

それから,30秒間トークのために準備した原稿があれば,希望者には添削をしています.

こちらの添削の内容は,「別構成を提示する」ことです.

「今回はココからトークを始めたが,別の角度からトークを初めてみようか?」っていう案を出してみるわけです.

というような添削なんですが,13回目の演習でトークとレポート提出があって,14回目の演習で添削後のレポートとトーク原稿を返却すると約束しているので,この1週間がセクスィーなスケジュールになっちゃうわけです.

今年度は日曜日に懇和会に行ってたし.
コレは1週間前だと梅雨だし1週間後だと試験期間だし,ココがベストだったわけだけど.
楽しかったな品川.takahikonojima.hatenablog.jp

添削はトーク原稿から初めていて,コレは1枚ずつ見るのではなくて,テーブルの上に原稿を十数件ぶん並べておいて,一度に眺めて思いついたもの,思い出したものから赤ペンを入れて行くというやりかたをしています.

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あっちの添削がこっちの添削のヒントになっていて,こっちの添削があっちの,っていうのが起きるからです.

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レポートは,まずぜんぶ読みながら気になったところにフセンを貼っておいて,次に最初に戻ってフセンの箇所に赤ペンを入れて行きつつ,チェック理由のリストを作って行って,添削三周目にリストを見ながら再度赤ペンを入れて行く,っていうやり方をしています.

よくある「出席番号が最初のほうの人は丁寧にみてもらえるのにー」にはならない仕組み.

リストに基づいて解説スライドもつくっていて,コレは演習の時間に情報共有します.

こういうのは大学でやるのが不可能な作業なので,トーク原稿のほうは昨日(月)の朝から昼過ぎにかけて自宅に引きこもって片付け,レポートの方は今日(火)の朝から夕方まで連続した時間を確保して自宅に引きこもって片付けました.


添削終わりました:木曜に返却します

というわけで,引きこもり生活1日半で作業が片付いたので,約束どおり木曜2限にはレポートもトーク原稿も返却できます.
これまでの提出物も一括して返却するので,「最後だから,ま,いっかー」などと考えずに出て来てください履修者のみなさま.

何のために何をやっているのか

コレは正直言って楽な作業ではないのですが,この添削をしなければ考えたり興味をもったり知ったりすることのない物事との偶発的な出会いが期待できる作業でもあるのです.

ソレと,進級後の学生がある日突然,「1年生のあの演習で教わったことが今すっごく役だってます! ありがとうございました!」みたいなことを連絡してきたりすることもあって,そういうのもこの科目を担当していて嬉しいところですね*2

*1:履修人数を24名に制限してあるのは,これをやる回で授業時間90分をオーバーしないためです.履修人数28人だとキツキツになり,32人だと確実にオーバーします.人数はグループワークの関係で4n人で考えています.

*2:でも来年も人数制限24名でやるし,2コース以上受け持つつもりはありません.