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Life + Chemistry

化学の講義録+大学を楽しく面白い学びの場に変える試みの記録 (北里大学・野島 高彦)

徹底したオンライン化とシステム化を進めた結果わかったのは一番おもしろいコンテンツが人間だっていうこと

雑記

「先にTwitterで相互フォローになって,それから実際に会う日が来る」っていう流れが今の私にとって標準的な「人との出会い」です.入学前の高校生とか浪人生とかと相互フォローになって,ガイダンス期間とか入学式とかで「あ,実際に会うのは初めてだよね?」っていう流れも私にとっては珍しくなくなりました*1

キャンナビに関わるようになったきっかけは2010年度入学生とのTwitter相互フォローだったし,北里つながろうプロジェクトはTwitterを利用した大学生活インフラとして始めたものだし,2012年度と2013年度の海洋生命科学部1年生のクラス担任業務でもTwitterを使って学生の日常をチェックしていたし,北里祭実行委員長+広報係とのヒミツの企みとか,winK♡サポートもTwitterがなければ生まれなかったものです.

学外の人々についてもこの順番が標準になりました.初めて単著で執筆した「初めて学ぶ化学」執筆のきかっけはTwitter + ブログだったし,TV番組に名前が出ることになったキッカケは「実験ノートには何を記録するのか?」っていうブログ記事と,それを扱ったTwitterでした.

SNSではその人がどういう話の展開をする人なのかわかるし,どういうことを考えている人なのかもわかるので,初めて「実際に」会った瞬間からスムーズに話が進みます.堅苦しい自己紹介から始まることも無くて,テンション高めの状態からスタート.

こういう感じに,SNSを介しての人々とのつながりが人間関係の中心に来て久しいのですが,そんな私が感じているのは,世の中でもっとも面白いコンテンツはオンライン上には存在していなくて,人間そのものだっていうことです.その出会いの50 %以上がSNS経由になっているっていうだけのこと.

看護学部の化学講義

2限に看護学部の化学講義.今回のテーマは「原子軌道と分子の形」.毎回,講義がおわったあとには内容チェックの小テストをやっていて,そこには自由記入欄があって,質問とか思いついたこととかを書いて提出できるようになってます.成績には全く反映させていません.

「今回は混成軌道を目で見たい!」っていうコメントがあって,「確かに!」と思いました.π電子雲に包まれた原子核が並んでいるのを拡大表示してくれる顕微鏡なんてものがあったら覗いてみたいものです.アルケンへのトランス付加なんて見えたらゼッタイにおもしろい!

こういうのが原理的に不可能なことを理工学部で学んだ私は,こういう発想を抱くことのない人生を送っているわけですが,それゆえに自然科学や工学を専攻しない大学1年生からのコメントには自由な願いが書かれていることが多くて,そういうことを考える人もいるんだなーって,毎回,思っています.毎回,見てみたい,創ってみたい,食べてみたい,っていう声が出ます.

おもしろい.

海洋生命科学部3年D組の人々・1

2012年度海洋生命科学部入学のD組は私が1年間担任したクラスで,進級と同時に担任業務は海洋生命科学部の先生にバトンタッチしてるんですが,なんだかんだで現在に至るまで 腐れ縁 付き合いが続いています.

1年生の時に進級ピンチだったTくん*2は,留年危機一髪で2年生に進級したんですが,そのときに自筆の反省文というか誓約書というか,そういう文章を書かせました.

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それでも生活がダレ始めることがあって,そのたびにクラスメートがTwitterで通報して来るので,「自筆誓約書をA1サイズに拡大コピーして相模大野駅前に貼り出してもいいのかゴルア!」って言いに行くと,翌日から生活態度を改めます*3

今回も通報があったので,対応.

海洋生命科学部3年D組の人々・2

午後に同じく海洋生命科学部3年D組の,別のTくんがやって来て,海洋生物に関連する国内施設が開催する夏期インターンシップに応募するから,応募書類の書き方について教えてくれって頼まれました.彼は進級後も,専門科目の調査レポートの類を持ってきては論理展開や構成について意見を求めてきていた学生です.

工業化学専攻の私が海洋生命科学の専門科目のレポート内容について指導できる範囲など限られているので,簡単なディスカッションをやって,不明瞭な説明の仕方とか,ねじれた論理展開とかを見つけて指摘する程度.今回の応募書類もその程度でいいのかなーって思っていたら,もっと初歩的で形式的なことだったので問題なく終了.

ポール・マッカートニーが去年出したアルバム『NEW』を買うべきか買わざるべきかfacebookで悩んでいたので,私が去年の秋に買ったのを1,000円で譲るっていう提案をして,紙ジャケットのコスレとかディスクの傷とかを現物チェックして商談成立.私はDVD付きの生産限定版に買い替え*4

NEW-2014ジャパン・ツアー・エディション(DVD付)

NEW-2014ジャパン・ツアー・エディション(DVD付)

ロックを聴き始めた頃は直径 30 cm のアナログレコードが標準フォーマットで,コレが入ってる紙製ジャケットが好きだったんですが,CDになってプラスチックケースに入るようになって取り扱いが楽になったから,CDサイズで紙ジャケットにするのがステキだとも思えません.

でも,T君は「紙ジャケ,好きなんですよ!」と大喜びして『NEW』を持って行ったので,価値観は人それぞれだなーって思った次第です.

2010年度入学のキャンナビの人々

夕方からは相模大野ステーションスクエアのとんかつ屋で夕飯.2010年春に北里大学に入学してキャンナビに参加した人々5人といっしょ.2ヶ月前に4年生コースを卒業して行った人々と,いま6年生コースの5年目にいる人々と,諸般の事情で4年生コースの5年目で就職活動中の人.

この人々と教室で接点があったのは化学実験と化学講義だけで,私がキャンナビに関わっていなければ,2010年度後期の定期試験でバイバイしてそれっきりになっていたはず.進級して行った彼らが今では,医療現場で使われているらしい,私が聞いたこともないような名前の薬品についてトンカツ食べながら話していて,その横にトンカツ食べてる私がいるっていうのも,なんか,おもしろい.

臨床工学技士になった卒業生が,透析に関係する薬品について,薬学部の5年生に何か聞いたものの伝わらなくて,商品名じゃなくて物質名に言い換えたら伝わった,なんていう場面があって,あーバファリンとアセチルサリチル酸みたいなものなのかーって思いながらキャベツのおかわり.

システムはコンテンツじゃないし 面白いのはネットワークの先にいる人々

Twitterもfacebookもタイムラインは高速で流れていて追いかけるのは物理的に不可能な状態になっちゃいました.Twitterの方はリスト化して例えば北里大学の在学生や卒業生は入学年度ごとに区切って流速を下げてるんですが,今年度は1年生の5人に1人以上の割合で相互フォローになってるので流速に追いつけない時間帯もあります.それでも #北里つながろう プロジェクトのネットワーク拡大に努めたり,Yahoo! Pipeとfeedlyを組み合わせてキーワードサーチをシステム化して検索結果をチェックしたりしてるのは,面白い人々がみつかる確率を高めるためです.

Twitterにしろfacebookにしろ,ソレ自体はオンラインのシステムであって,面白いのはそこに流れてくる文字列であり,写真であり,そして,そういうアレコレを提供してくれる人々です.

徹底したオンライン化とシステム化を進めた結果わかったのは,この世界で一番おもしろいコンテンツが人間だっていうことでした.

このブログを書いている人


私はこういう人 - 大学1年生の化学(北里大学・野島高彦)

*1:全国の大学では「入学前学生指導」をどうしたら良いものかっていうのが会議の議題になってるみたいですが,会議室に集まって硬いアタマで古い感覚でアレコレ考えてもロクな答えは出ないわけで,2014年のITインフラを使うのが近道です.

*2:D組の3分の1くらいがTくん・Tさんなんだけど,そのなかの1人.

*3:この指導はTくん本人からもTくんの保証人からも承諾を得て続けているものであり,卒業まで続けて下さい的なことを言われているので,いわゆるパワーハラスメントとかアカデミックハラスメントではありません.原本は卒業のときに返す約束.

*4:後からこういうのを出す商売ってアレだなー